毎日仕事をして疲れて帰ってきて、ゆっくりとベットで休みたい。でもある日突然、目が覚めたら肌に赤いブツブツ、そして痒みが襲って襲ってきた…
この記事に辿り着いたということは、すでにあの虫に襲われてしまった後かもしれません。休息の時間が恐怖の時間へと変わってし待っているかもしれません。
この、原因は別名「ナンキン虫」とも呼ばれる「トコジラミ」の仕業です。
日本では、ほとんど見かけなくなりましたが、最近のインバウンドの増加で海外から持ち込まれるケースが増えています。
寝ている無防備な状態を狙ってくるので、被害に遭えばとてつもなく厄介です。
安心して眠れるように、対策、原因、予防法について説明します。/
トコジラミの対処法
トコジラミは名前の通り、床(とこ)つまり寝床に主に生息します。それ以外にも壁や家具の隙間に入り込んでいます。トコジラミは熱に弱い虫なので、ベットや布団についているトコジラミはある程度自分で駆除できる方法があります。
ベットや布団、衣類についた駆除方法
トコジラミは100°であれば数秒、60℃で10分、50℃では30分の温度で死滅します。
かといって、鍋で煮込むわけにもいかないので、以下の方法が有効です。
布団乾燥機
布団乾燥機は、メーカーによってさまざまなモデルがありますが、安いものでも最低50℃の温風を出すことができます。
ものによっては、ダニ退治モードなんかを搭載しているものもあり、このモードでは、ダニの駆除と合わせてトコジラミも駆除することができます。
しかし、布団乾燥機を持っている家庭も少ないと思うので、この方法は緊急の場合は使えないかもしれません。
アイロンをかける
スチーム機能のあるアイロンで、ゆっくりと当てて行きます。アイロンの温度は100℃に設定して、しっかりと温まるようにします。
しかし布団内部に潜り込んでいるトコジラミには効果が薄いので要注意です。
コインランドリーの乾燥機
最近のコインランドリーは、大型の乾燥機を設置している店舗も多く布団を丸ごと乾燥機にかけられる店舗が増えています。
トコジラミが繁殖するには、ある程度の湿度も必要なので、乾燥機にかけることでトコジラミを駆除するだけでなく、繁殖しにくい環境にもなります。
部屋の中のトコジラミの駆除方法
掃除機
トコジラミは寝床の中だけでなく、畳やカーペットにも住み着くことがあります。先ほど紹介した方法では、なかなか無理があります。
そこで、畳やカーペットのトコジラミには、直接取り除ことができる掃除機が有効です。
フローリングに敷いてあるカーペットは表面と裏面に掃除機をかけることである程度の効果が期待できます。
しかし、畳となると、表面に住み着いているトコジラミには効果がありますが、畳と畳の隙間から裏面に潜り込んだトコジラミには効果が薄いです。
市販の駆除剤
市販の駆除剤には二つのパターンがあります。直接噴霧タイプと残留噴霧タイプです。
直接噴霧タイプは、文字通りトコジラミに直接吹き付けるタイプで、残留噴霧は噴霧したところに殺虫成分が留まり駆除するタイプです。
畳に住み着いているトコジラミを駆除するには、残留噴霧タイプが効果的です。畳の中へ針を刺して成分を噴霧するため、掃除機では吸いきれないトコジラミを駆除することができます。
専門業者に駆除を依頼する
トコジラミは体長が5ミリから8ミリほどと、とても小さい虫です。なので、少しでも隙間があれば入り込んでしまい、上記の方法で駆除できたと思ってもまだ生き残っている可能性はあります。この後に、トコジラミの見つけ方を紹介しますが、部屋の中の数カ所にトコジラミの痕跡があれば業者に駆除を依頼した方が良いです。
そもそもトコジラミとは?
トコジラミは「シラミ」と名前についていますが、分類的にはカメムシの仲間になります。体の形が小さいながら、カメムシのように肩が広く扁平した体をしています。大きさは5ミリ〜8ミリ程度で人の血を吸うと腹部は倍くらいに膨れ上がります。そして、トコジラミの成虫は、1年間吸血しなくとも生き延びることが出来るため、非常に厄介な害虫です。
暗がりと隙間を好み、日中は、ベットとマットレスの間、畳の隙間、クローゼットなどに潜み、人が就寝する夜間に棲家から出てきて吸血します。
なので、日中の人が活動する時間帯では、トコジラミに吸血されることはありません。よっぽど空腹であれば別かと思いますが…
トコジラミの健康被害
トコジラミは、蚊やダニと同じく吸血する虫です。吸血する虫は、感染症を媒介するとして聞いたことはあるかもしれませんが、トコジラミに関しては、吸血する虫特有の感染症などの報告は今の所ありません。ですので、トコジラミの被害としては、痒みのみとなります。
トコジラミの咬み後と症状
トコジラミに噛まれると、蚊に刺されたように赤く腫れます。そして、強烈な痒みに襲われます。
実際に私も引っ越しをして、咬まれたことがあります。その時の写真はないですが、状況としては、暑い夏の日に畳の上で横を向いて寝ていたら、畳に面しているところの皮膚だけおびただしい数の咬み跡があり、強烈な痒みに襲われました。
痒みの原因は、蚊と同じく、吸血する際の唾液が原因です。唾液に含まれるタンパク質が、アレルギー反応を起こして赤く腫れ、痒みを伴います。
トコジラミの発生原因
トコジラミの発生原因は衣類などに付着して持ち込まれることです。自宅にトコジラミが居なかったとしても、旅先のホテルや海外に旅行した際に、スーツケースや衣類に引っ付いて、いつの間にか住み着いてしまいます。また、中古のソファやベットマットレスなどの家具を購入した際に、住み着いていたということもあります。
対策としては、十分に掃除機をかけ、乾燥機にかけられるものであれば乾燥機にかけ、難しい場合は天日で干してしっかりと乾燥させ、家の中に持ち込まないようにしましょう。
トコジラミの見つけ方
トコジラミの糞は血糞と呼ばれ赤黒い糞をします。家の中やホテルなどで小さな黒いシミを発見した場合は、トコジラミがいることを疑った方が良いです。もし、ホテルでこの痕跡を見つけた場合は、ホテルのフロントに相談して、部屋を変えてもらったほうが安全です。
トコジラミを寄せ付けない方法
簡易的ではありますが、トコジラミを寄せ付けない方法があります。それは、トコジラミは暗闇を好み、人の就寝中を襲うと説明しました。
大体の人は、明かりを消して就寝すると思いますが、明かりを消すとトコジラミが活動し始めます。
そこを逆手に取り、寝る時に明かりを消さなければ、トコジラミは棲家から出て来れなくなります。
しかし、この方法はあくまでも簡易的な方法なので、絶対にトコジラミに咬まれないという方法ではありません。例えば出張先や旅先のホテルで怪しいなと思ったらこの方法を試してください。
トコジラミは清潔な場所にも生息する
害虫が発生する場所は不潔な場所というイメージがありますが、トコジラミは清潔な空間だろうと不潔な空間だろうと生息している可能性はあります。
トコジラミに必要な環境は、「吸血できる」という条件なので、いくら高級で綺麗なホテルでも「絶対にいない」と言い切ることはできません。
まとめ
トコジラミは見つけにくい小さな昆虫で、家の中やホテルなどに住み着いています。清潔な空間でも無関係に、どこでも発生のリスクがあります。旅行先から無意識に持ち帰ることもあるため、対策は欠かせません。
家の中での予防策としては、定期的な掃除と家具や布製品のチェックが重要です。新品の家具や布製品、特に中古品での場合は、念入りなチェックを忘れずに。旅行時は宿泊施設や荷物の管理が重要となります。
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